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2021年10月24日 (日)

ロマサガ2リプレイ(71)

(71)
2254年秋
ダンターグ戦 戦勝記念集会
アバロン城下、特設広場で兵士市民が集まり、七英雄戦5勝目を祝い、「ワイン、肉の冷製、黒パン、ピクルス」が特配され、大衆は勝利の美酒に酔いしれた。イングリッド帝以下選抜メンバーも出席し、最後にイングリッド帝が「残る七英雄は2名のみ、この勢いで全員討ち果たす」と宣言し、宴が終わった。
しかしその夜。
「ウォ・・・ハァ・・ハァ・・・」
イングリッド帝は疲れを覚え床に就いたが、夜間に急激な胸苦しさを覚えた。祝宴の料理にあたってしまったかというのが侍医マゾッホの見立てだったが、その翌日容体が急変し、イングリッドは帰らぬ人となった。享年24。

「なんということだ」
前の皇帝ソビユン(現 東アバロン会社会長)が慟哭。様々な憶測が流れた。七英雄の意向を受けた暗殺者が国王の酒に毒を入れた可能性が高いと王宮の幹部は結論したが、ソビユンの推理は違っていた。
「反戦派が王国の中にいる」
ワグナス戦、ボクオーン戦もサポート隊、兵站部隊は無傷では済まなかった。そして七英雄の力の正体を知りえる立場の幹部連中から、皇帝が最後の大きな戦いに突き進もうとしているということを聞いて、戦線拡大に突き進むイングリッド帝の排除を企んだのだろう。
表向きはイングリッドの死は食中毒ということにされたが、ソビユンの怒りは収まらず東アバロン会社社長のまま皇帝代行を宣言して、反戦派の徹底排除をもくろんだが、穏健派の大臣ポポフはホーリーオーダーのアガタを皇帝に指名し、なんとアバロンの権力系統は二つに割れてしまった。

「先々帝は欲にまみれ蓄財に励むあまり頭がおかしくなったのだ。民は苦しんでおる。これ以上の外征は七英雄を本気にさせ、多くの血が流れるだけだ」

大臣ポポフはそう声明を出し、アバロン城下町に新市街地区を建設し、ここでアガタらとともに政務をとることを宣言した。かくて一つの街に権力の源泉が二つできてしまった。王立大学や魔道研究所はどちらの指示に従えばいいのか。税金はどちらに納めればいいのか。そんな混迷が数か月続いたが、
「イングリッド帝の力を正しく受け継いだのは101代皇帝アガタである。したがってアバロンの皇帝はアガタであり、いま王宮にいるソビユンはただの逆賊に過ぎない」
といった声明をポポフがだし、王宮の兵士は徐々に新市街地区へ移って行った。
「このままではわしが殺される。アバロンを脱出する」
先々帝ソビユンは夜中ひそかに脱出し、わずかな従者とともに南へ進み、ティファールに仮御所を構えた。
これ以降しばらく、アバロンとティファール、二つの都が存在することになった。バレンヌ帝国は七英雄討伐どころではなくなってしまった。アガタも先帝イングリッドとともに戦ったので、七英雄の脅威は承知していたが、それよりも民草の安寧を重視するという考えの持ち主で、そこを大臣ポポフにかつがれてしまった。

皇帝アガタは東アバロン会社の国有化を宣言し、水面下ではティファールに暮らす先々帝ソビユンとの和解を探った。何度か密使が往来し、(1)ソビユンの身の安全の保障、(2)ソビユンに名誉法王の称号を与え、終身50万クラウンの年金支給、(3)その代りソビユンはアガタがアバロン帝国の後継者であることを認める。ということで和議がまとまった。ソビユンはその後十数年間、ティファールで監視付きで余生を送った。

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